世界最大の商用車ショー 2022ドイツハノーファーIAA「世界は動いている!!」
2022年9月23日
隔年の9月に開催される世界最大の商用車のショー、ドイツハノーファーIAA
今年はコロナ禍もあり、前回の2018年から実に4年ぶりに来る事が出来ました。
コロナ禍の影響か、前回に比べると6割ほどの出展
今年に入ってウクライナ情勢も影響しているかもしれません。
このコロナ禍にドイツまで来るのは賛否両論あるとは思いますが、
そこはさておき早速レポートをお伝えします。
前回に感じた事は、世界は自動運転に舵を切り始め、
天然ガス及びEVに進んでいくのだという事でした。
あれから4年、今回ここで得たいものとしては、
この4年で自動運転はどう進んでいるのか
また、世界は天然ガスかEVか、
はたまた水素を燃料とするのか。
そういった部分の方向性が分かればとの思いで来ました。
細かいところまで全ブースは見れていないですが、
やはり明らかに世界はEV化に進んでいるという事。
そこはどこのブースを見ても明らかでした。
どこもかしこもゼロエミッションと明言しており
(実際は定かではないが)
ディーゼルエンジンの噴射ノズルを展示しているところは無かったと記憶しています
(前回はそういう展示はいくつかあった)
冷凍機もEVで、EVアクスルでジェネレータを付けて補助しているものや、
ソーラーパネルを付けているものも多く見られました。
展示会場の循環バスもほとんどがEV車で、
展示会から出ていくKRONEのセミトレーラーをけん引するトラクタもEVのような走行音でした。
(メーカー未確認で、門を出たところでエンジン音していたような??
FCVの燃料電池車か水素エンジンなのか確認できませんでした)
天然ガスの展示車両もありましたが、さほど多くもなく、
やはり昨今のウクライナ情勢などから
化石燃料の確保の問題もあるのかなとも想像できます。
たまたま先週にeキャンターの試乗をさせてもらいましたが、
航続距離の問題と価格の問題はありますが、
動力性能はほとんど問題ないように感じました。
今回のEV展示車両の航続距離は300kmほどがボーダーラインのようで、
実用8割と考えると、少し時期早々かなとも思います。
また、電圧の問題とかもあり、
日本で同条件の急速充電が出来なければ、
大型車に関してはまだ先かなとも思われます。
11ホールでは各車のEV車の体験試乗が行われており、
外から見ているとボルボのトレーラーもかなり機敏に走っていました。
EV化にする事により次代の自動運転に繋げていきやすくなるというのもあり、
この世界の流れはどんどん加速すると予測するのは容易な事だと考えます。
ただ、やはり完全なBEV車(バッテリー)はやはり航続距離問題があり
いずれそうなるにしても、
やはり繋ぎ的には水素燃料のFCV(燃料電池)車になると思われます。
(水素ステーションの問題はありますが)
この辺りは各メーカーの開発競争になり
欧州トップメーカーのメルセデスやボルボは
自社で内燃機を開発しているので水素エンジンもしくはFCV推し
テスラやBYDをはじめとするスタートアップ系は
BEV推しになっていくのかもしれません。
内燃機を基礎とする水素エンジン系の設計と
スタートアップ企業の完全EVとの戦いですね。
肝心の自動運転の展示車両はIVECOだけだったと思いますが
前回に比べ今回は一気に展示車両が少なくなったのは
もう自動運転は完成の域に達しており、
展示するほど真新しい事は無いという意味かもしれません。
後は法改正と細部のアップデートくらいでしょうか。
最新技術は素晴らしく、
やがてやって来る未来が想像できます。
ワクワクしますね。
しかし、我々中小企業にはすぐさま導入するには
やはり資金面や雇用の事など問題は山積。
目先の事だけしか考えないと「どう仕事を取ってくるか」
未来のビジョンをしっかり考えていると
「どういう仕事を創るか」
こうなるのではないでしょうか。
まもなく施行される2024年残業時間上限規制
その先に紆余曲折を経て自動運転車導入
同じ事の延長線上の考えでは
人の仕事は無くなっていく。
そうではなく「人としてどんな事が出来るのか」
AIや自動運転のテクノロジーと人はどう共生していくべきなのか
これこそが本当に考えねばならない事でなないのでしょうか。
その他トラックの架装に関する事は、
やはり前回と同じくこちらの架装は単純に考えて作られている事。
これがやはり大きな第一印象ですね。
それでいて壊れにくい頑丈な造り。
基本の考えはここにあると思います。
また、とりあえず手を使わないようにどうすればいいのか?
どうすれば人の苦役を軽減できるのか?
そういうとこは本当に社会全体が考えているように思います。
(日本は我慢が評価される国で、手をつかう事が美化されているように感じる)
とんでもなく複雑な機構のクレーンなども多かったですが、
それもやはり手を使わない為にという所が根底にあるからだと考えます。
とかく日本は複雑に考え計画し、
それで結果として出遅れてシェアを奪われるという事が多すぎです。
また、新しい事を採用しようとすると、お決まりの前例がない・・困ったもんです。
こういうところは本当に改善しなくてはですね。
外装などの見た目重視のドレスアップ画像は少ないですが
コロナ禍により来れない方も多くおられるとは思いますので、
とりあえず会場の雰囲気をおすそ分けという気持ちで画像をUPします。
こちらには500枚以上あります。
また動画も編集してそちらも公開しますので、是非一度ご覧ください。
次回のIAAは2024年
欧州では2030年までにCO2 を大幅に削減目標を掲げているので
次回は化石燃料系のエンジン車はほとんど展示されないかもしれません。
ますます目が離せません。
皆さまも次回は是非とも足を運んでみてはいかがでしょうか。
ではまた。
投稿:よしだ